気管支喘息(喘息(ぜんそく))
喘息は、気道が慢性的に炎症を起こし、狭くなることで呼吸が困難になる病気です。気道の過敏性が高まり、特定の刺激やアレルゲンに反応して、咳、呼吸困難、胸部の圧迫感、喘鳴(ぜんめい、ヒューヒューという音)が生じます。症状は一時的であり、再発を繰り返すことが特徴です。
主な症状
- 咳
- 乾いた咳が頻繁に続き、特に夜間や早朝に現れることが多いです。冷たい空気や夜の温度変化、アレルゲンによって悪化することがあります。
- 呼吸困難
- 胸部の圧迫感や息切れを感じることがあり、特に運動やストレス、アレルゲンに触れた後に悪化することがあります。
- 喘鳴
- 呼吸時にヒューヒューという音が聞こえることがあります。これは気道が狭くなり、空気が通りにくくなるために発生します。
- 季節の変わり目
- 季節の変わり目に気温や湿度の変化により、症状が悪化しやすくなることがあります。花粉や気候の変動がトリガーとなることがあります。
診断方法
喘息の診断には、以下の検査を行います。
検査の詳細に関しては、当院の検査をご参照ください。
- 問診
- 病気の状況を正確に知るために、喘鳴・咳・喀痰・息苦しさ・胸痛があることに加え、症状の日内変動(朝や夜に症状が強い)やアトピー素因(アレルギー体質)や家族歴の有無、喫煙歴、ペット飼育歴(イヌ、ネコ、ウサギ)など幅広く聴取します。
- スパイロメトリー検査
- 呼吸機能を測定し、気道の狭窄や変化を評価します。
- 呼気NO検査
- 呼気中の一酸化窒素(NO)レベルを測定し、気道の炎症の程度を評価します。
- アレルギー検査
- 血液検査で調べることができるアレルギー検査には、①血中好酸球検査、②特異的IgE検査があります。好酸球は健常者の方にも存在しますが、気管支喘息では300個/μl以上になることがあり、診断の補助になります。特異的IgE検査はどのアレルゲンが原因になっているかを調べるもので、当院では、View39という39種類の抗原を同時に調べることができる検査を実施しています。
治療方法
喘息の治療には、主に以下の方法があります。
- 吸入ステロイド薬
- 気道の炎症を抑えるために使用します。気管支喘息の第一選択薬です。
- 長時間作用型吸入気管支拡張薬
- 気道を広げて呼吸を楽にします。長時間作用型β2刺激薬(LABA)や抗コリン薬(LAMA)を吸入ステロイドと併用して使用します。
- 短時間作用型吸入気管支拡張薬
- 発作時に使用し、即座に気道を広げて呼吸を楽にします。短時間作用型β2刺激薬(SABA)がこれに該当します。
- 抗アレルギー薬
- アレルゲンによる反応を抑えるために使用します。H1ブロッカーやロイコトリエン受容体拮抗薬を使用します。
- 生物学的製剤
- 喘息の気道炎症に関与する炎症性物質に対して作用する薬剤で、通常の治療ではコントロールできない難治性喘息に対して使用します。
- 生活習慣の改善
- アレルゲンの回避、ストレス管理、規則正しい生活を心がけることが重要です。
気管支喘息は慢性の咳の原因になったり、発作をきたすと命に関わる疾患です。一方、きちんと治療をすることにより健康な方と同様の生活を送ることができます。喘息が心配だったりお悩みの方はお気軽に当院にお問合せください。
喘息に関して詳細をお知りになりたい方は以下のリンクから、桂院長の記事をご参照ください。