呼気一酸化窒素(NO)検査について
呼気NO検査とは
呼気NO検査は、呼気中の一酸化窒素(NO)を測定することで、喘息の気道炎症の状態を簡単に調べることができる検査法です。
検査の重要性
呼気中のNOを測定することにより、以下のことが可能です
- 喘息の診断
- 喘息の診断に役立ちます。
- 治療効果の判定
- 現在の治療が効果的かどうかを判断します。
- コントロールの状態評価
- 喘息の管理状態を評価します。
検査の手順
- 検査は簡単かつ迅速に行うことができます。
- 患者さんは専用の装置にゆっくりと呼気を吹き込みます。
- 装置が呼気中の一酸化窒素の濃度を測定し、結果を表示します。
当院での呼気NO検査
当院では、喘息が疑われる患者さんや、喘息の状態を評価するために患者さんの状態に合わせて呼気NO検査を実施しています。検査結果はその場でわかるため、検査後すぐに医師から結果の説明を受けることができます。
呼吸機能検査について
呼吸機能検査とは
呼吸の状態を評価するために最も重要な検査で、肺を出入りする空気の量を測定する検査です。肺が実際の年齢と比べてどのような状態か(肺年齢)を測定することも可能です。当院では、喘息やCOPD、間質性肺炎の患者さん(あるいはこれらが疑われる患者さん)、咳や息切れがある患者さんに実施しています。
検査の重要性
呼吸機能検査は、以下のような目的で行われます
- 診断
- 喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患の診断に役立ちます。
- 病状の評価
- 既存の呼吸器疾患の進行状況や重症度を評価します。
- 治療効果の判定
- 治療が効果的かどうかを判断します。
- 手術前評価
- 手術前の肺機能の評価として使用されます。
検査の手順
- スパイロメトリー検査専用の機械に息を吹き込み、肺活量や気流速度を測定します。
- フローボリューム曲線息を吸ったり吐いたりする際の気流の変化をグラフ化し、気道の閉塞の状態を評価します。
- ピークフロー最大呼気流速を測定し、気道の閉塞の有無を確認します。
当院での呼吸機能検査
当院では、咳や痰が多い、息切れをする、喫煙される方、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎の患者さん、またはこれらが疑われる方に、呼吸機能検査を実施しています。検査結果はその場でわかるため、検査後すぐに医師から結果の説明を受けることができます。
心電図検査について
心電図検査とは
心電図検査は、心臓が全身に血液を送り出す際に発する微弱な電気信号を計測する検査です。この電気信号の変化を波形として記録し、心筋梗塞や不整脈などの異常がないかを確認します。
検査の重要性
心電図検査は、以下のような目的で行われます
- 不整脈の診断
- 心臓のリズムの乱れを検出します。
- 虚血性心疾患の検出
- 心筋への血流不足を特定します。
- 心肥大の評価
- 心臓の肥大の有無を評価します。
検査の手順
- 患者さんはベッドに仰向けに臥床し、胸、手首、足首に電極を装着します。
- 電極から心臓の電気的な活動が記録され、心電図として表示されます。
- 検査は数分で完了し、痛みや不快感はありません。
当院での心電図検査
当院では、胸の痛みや、不整脈の自覚がある方、心疾患の既往がある方に心電図検査を実施しています。検査結果はその場で医師から説明を受けることができます。
レントゲン検査について
レントゲン検査とは
胸部レントゲン検査は呼吸器内科の診察に必須の検査です。胸部の内部構造をX線を用いて画像化する検査です。
検査の重要性
胸部レントゲン検査は、以下のような目的で行われます
- 肺疾患の診断
- 肺炎、肺結核、肺がんなどの診断に役立ちます。
- 心臓の評価
- 心臓の大きさや形状、位置を確認します。
- 骨の異常の検出
- 肋骨の骨折や異常を検出します。
- 気道の確認
- 気道の狭窄や異常を確認します。
検査の手順
- ボタンや金属が映り込んでしまわないよう、必要時にお着換えいただきます。
- レントゲン撮影装置の前に立ち、指示に従って姿勢を調整します。
- 医師がX線を照射し、画像を撮影します。
- 検査は数分で完了します。
当院での胸部レントゲン検査
当院はデジタルラジオグラフィー(DR)システムを導入しています。DRシステムは、撮影されたデータをそのままデジタル情報に変換してモニターに表示する仕組みで、従来のフィルムによる撮影と比べて、撮影してから画像ができるまでの時間が短い、X線被曝量が少ない、コントラストの変更や過去の画像との比較などが簡単にできるため読影しやすいなどのメリットがあります。検査結果はその場で医師から説明を受けることができます。
胸部X線画像病変検出ソフトウェア【FUJIFILM CXR-AID】について
当院では、胸部レントゲン画像の読影をより正確にするために、A I技術を用いた読影システムを採用しています。胸部X線画像を自動解析し、病変の存在が疑われる領域を検出する見落し防止支援のシステムです。このシステムにより、呼吸器内科専門医でも診断率を約10%向上させるとされています。
CT検査について
CT検査とは
CT検査(コンピュータ断層撮影)は、X線を使用して身体の内部を詳細に撮影する画像診断法です。断層画像をコンピュータで再構成することで、肺の内部構造を立体的に把握することができます。
検査の重要性
CT検査は、以下のような目的で行われます
- 間質性肺炎などの
びまん性肺疾患の診断 - これらの疾患の診断には必須の検査です。
- 肺がんの早期発見
- 早期の肺がんを検出するのに役立ちます。
- COPDや間質性肺炎の
合併症の評価 - 肺がんの合併頻度が高い患者さんの定期的な経過観察に有効です。
当院でのCT検査
COPDや間質性肺炎など、肺がんの合併頻度が高い患者さんでは、定期的に 検査を行い、経過で変化がないかを比較します。当院では、連携医療機関によりCT検査を実施し、取得された画像を放射線科医と呼吸器内科医が詳細にチェックします。これにより、正確な診断と適切な治療計画が可能となります。
睡眠時無呼吸検査について
睡眠時無呼吸検査とは
夜中にいびきをしていたり、十分な睡眠時間をとっているのに昼間に眠気があったり、起床時に倦怠感や頭痛があるならば睡眠時無呼吸症候群の症状かもしれません。簡易検査(アプノモニター)は、睡眠中に発生する無呼吸や低呼吸の頻度と程度を自宅で測定する検査です。睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断が可能となります。
検査の重要性
- 睡眠の質の向上
- 睡眠時無呼吸症候群の早期発見と治療により、日中の眠気や疲労を軽減します。
- 健康リスクの軽減
- 睡眠時無呼吸症候群の早期発見と治療により、高血圧、心疾患、脳卒中のリスクを減少させます。
検査の手順
- 検査の申し込み当院から検査の申し込みをさせていただきます。
- 機器の受け取りメーカーから自宅に検査機器が郵送されます。
- 在宅での検査夜間睡眠中に体の酸素状態と呼吸の空気の流れを測定するセンサーを装着して検査を行います。
- 機器の返送検査後、機械をメーカーに郵送していただきます。データの解析:メーカーで解析を行い、約2週間で結果が返送されます。
検査結果の解釈
- 無呼吸低呼吸指数が
40以上 - 簡易検査のみで治療が可能です。
- 無呼吸低呼吸指数が5-39
- 入院あるいは在宅での終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)検査が必要です。
連携医療機関での精密検査
簡易検査の結果、PSG検査が必要と判断された場合、在宅あるいは入院でPSG検査を行います。入院によるPSG検査は連携医療機関に紹介の上行います。これにより、より詳細な診断と適切な治療計画が立てられます。
鼻腔通気度検査について
鼻腔通気度検査とは
鼻腔通気度検査は、鼻の通気性を測定するための検査です。鼻詰まりや鼻呼吸の不調を感じている方に対して、鼻の通り具合を数値化して評価します。この検査は、慢性鼻炎やアレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症などの診断や治療方針を決定する際に重要な役割を果たします。また、睡眠時無呼吸症候群の診断においても、鼻の通気性を評価することが大切です。
検査の目的
- 鼻の通気性を客観的に評価します。
- 鼻の構造上の問題を診断します。
- 睡眠時無呼吸症候群の診断をサポートします。
- 治療効果を確認します。
検査方法
鼻腔通気度検査は、フクダ電子のSP-390Rhihoを使用して鼻腔の空気の流れを測定します。具体的な方法としては以下のような手順が行われます。
- 準備:検査の前に、医師が問診を行います。
- 測定:鼻腔に専用のプローブを挿入し、呼吸時の空気の流れを測定します。検査は数分程度で終了します。
- 結果の説明:検査後、医師が結果をもとに診断を行い、治療方針を説明します。
検査結果の見方
検査結果は、鼻腔抵抗値(Pa/cm³/s)として示されます。以下はこの機器における基準の例です。
- 正常範囲
0.25 Pa/cm³/s 未満 - 鼻の通気が良好であることを示します。
- 中等度鼻閉
0.25〜0.50 Pa/cm³/s - この範囲の数値は、ある程度の鼻詰まりがあることを示しています。
- 高度鼻閉
0.50 Pa/cm³/s 以上 - この数値を超える場合は、鼻詰まりが高度であることを示し、鼻中隔の問題や慢性鼻炎などの可能性があります。
これらの数値をもとに、医師は患者さんの症状と照らし合わせて適切な診断を行います。睡眠時無呼吸症候群の疑いがある場合、他の検査と組み合わせて総合的に判断します。治療後に再度検査を行うことで、治療の効果を確認することも可能です。
検査のメリット
- 非侵襲的で痛みがありません。
- 短時間で検査が完了します。
- 数値化された結果により、正確な診断が可能です。
呼気一酸化炭素(CO)検査について
呼気一酸化炭素検査とは
禁煙を目指す方が、禁煙の進捗確認のために実施します。呼気一酸化炭素(CO)検査は、呼気中の一酸化炭素の濃度を測定する検査です。喫煙習慣の評価や禁煙支援、環境中毒の診断に役立ちます。特に喫煙者の健康管理において重要な検査です。
検査の重要性
呼気中の一酸化炭素濃度は、喫煙の影響や環境中毒の有無を示す重要な指標です。以下のような目的で行われます
- 喫煙習慣の評価
- 一酸化炭素濃度が高い場合、喫煙量が多いことを示します。
- 禁煙支援
- 禁煙後の一酸化炭素濃度の低下を確認することで、禁煙の成功度を評価します。
検査の手順
- 簡単な準備検査前に特別な準備は必要ありません。
- 息を吹き込む患者さんは専用の装置に息をゆっくりと吹き込みます。
- 測定装置が呼気中の一酸化炭素濃度を測定し、結果を表示します。
- 結果の確認医師がその場で結果を確認し、説明します。
当院での呼気一酸化炭素検査
当院では最新の呼気一酸化炭素測定装置を導入しており、簡単かつ迅速に検査を行うことができます。経験豊富な医師が結果を基に、適切な健康指導や治療を提供します。